焼土に立ちすくんだ18歳の夏

大沢健一   昭和2年(96歳)

寅と辰にとり囲まれた愛すべき卯が90歳を迎えた時、100歳まで生きられると自信を深めたものです。

だが90歳を生きることは大変なことでした。死ぬの生きるのと医師に頼ったのはこの時でした。こんな90爺の支援に初老の息子たちが常備薬を懐にやってきて女衆が農作業役、男衆が庭師役とエンジン音を響かせました。

死ぬの生きるのと騒がせた私も今は足腰の老化を嘆きながらも、鎌を手に草刈りの準備を整えているところです。

かつて国の興亡を賭けて闘い戦に敗れ一面の焼土の中に悄然とすきっ腹をかかえて立ちすくんだ18歳の夏から平成・令和と続いた平和への模索が、ロシア・ウクライナ戦以後の我が国でも、祖国と国民の生命を守る戦争への模索と変わってきたように思われますが、爆弾のない平和への模索は子や孫にいつまでも伝えていきたいものだと思っています。


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