健友俳壇  第十八回  (令和5年1月)

健友俳壇は、会員の皆様が気軽に参加できる事業として、会報第72号(平成26
7月号)から掲載が始まり
18回目となりました。
今回は、秋の「健友旅行」が実施されました。一般の句4名旅行の句
12
会員から投稿があり、
16の選句と講評をさせていただきました。
今回の講評は、津久井たかをさんにお願いしました。

特選(3句)

 霜焼けと 擦り傷の餓鬼 古希を過ぐ    武居 正次

 70歳を過ぎ、今は昔の時代を思い、腕白だった少年時代をしみじみと懐かし
んでいる。「餓鬼」が効いています。まとまったよい句です。

 ◎ 初霜の 解けて清かに 花手水       茂木 良一

     初霜が解け始めた朝、花を浮かべた手水鉢で手をすすぐと、すがすがしい
      気分に。初冬の頃の朝の情景がよく捉えられ、心情が詠まれています。

 ◎  足利に まなびやしのぶ 秋日暮れ     田村 弘治

 秋の日暮れのなか、有名な足利学校の昔をしのぶ。旅情がよく伝わります。
     「秋日暮」が効いています。

入選(3句)

   朝焼けに 黄金色づく 大銀杏        日向 義博

朝焼けに、さらきだに黄色の大銀杏が、一段と黄金色に輝く。
     情景を見事にとらえて詩情ありですね。素晴らしい。

   鰯雲 横切り抜けて 尾翼行く         日向 日出子

      面白いショットですね。「横切り抜けて」の表現がユニーク。
     「尾翼」でもいいのですが、「機影」ではどうでしょう。

 渡良瀬の 川面を染める 散り紅葉       岩瀬 雄一

     大景がいいですね。「散」で情景に動きが出て出色です。

●投稿の句(10句)
    せせらぎに  彩り添える 紅葉かな        瀬川 恵美
    秋の宵 光あふれて 足利路              宮川 修一
    友と笑み 新蕎麦すすり 満ちる笑み      小城 恭子
    足利の 花野に映る アートかな           細井 榮一
    秋の宵 イルミに映える 花と月           岩瀬 法子
    小春日に 健やかな友との 夜光会         寺西 幸雄
    秋の旅 足利学校 試験受け              山田 常雄
    足利の 光の祭典 欠ける月              矢部 登喜子
    紅葉あおぎ イルミネーションと 皆既の月  佐藤 昭弥
   10 青天も 酒客目落とし 銀杏へ            榎本 一郎

感想

 今回の健友俳壇は、一般の句4句、旅行の句が12句計16句となりました。
 一般の句が少なかったため、一括して選句することになりました。
 また、僭越ながら小生が選句を担当させていただきました。
 全体として佳句が多く感服いたしました。選外でしたが、3の句は、友と談笑し、
 新蕎麦がきたところで満足している様子、その経過がわかって面白いと思いました。
 7の句もちょっと俳味があるように思います。

 それでは、選句にあたって気づいた点をいくつか申し上げます。
 今更ですが、ついうっかりしてしまいますね。

〇季語は句意に沿って慎重に選んで下さい。また季重ねに注意して下さい。

  〇中9の句がありました。中7は絶対ではありませんが、定石です。
  中7の字余りは
できるだけ避けて下さい。

 〇句材が多く詰め込み過ぎの句が見られます。焦点を絞るように努めて下さい。

 〇独りよがりの句にならないよう、注意して下さい。

 〇基本的には、俳句も文芸でオリジナリティが大事です。
  ご一緒に勉強しましょう。

  さて、選者の今井弘雄さんのご体調により、今回に限り、代理を会報部から仰せつりました。果たしてその責めを果たせたかどうか心配です。句友の皆様には、ご寛容のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。今井さんは、かつて区の俳句会でご指導を頂いた先輩です。1日も早いご全快をお祈り申し上げます。

            津久井 たかを
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